クモリン 小さな生き物のつぶやき

つぶやくように詩を作っていきたいです

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

上野の地下道 (上野の地下道に行った時のこと)

上野の地下道 その日の上野の地下道は 上の賑わいをよそにして ひっそりとしていた 西村滋の『お菓子放浪記』で 孤児のシゲル少年がここで一緒に暮らしたのは 戦争孤児の子どもたち 西村滋は二〇一六年に九十一才で亡くなった 語る人がいなくなる 七十年の歳…

二〇二〇年 私にできることは

私にできることは 二〇二〇年 ウイルスとの戦い 私にできることは ウイルスを運ばないように 家にいること いろいろな人の顔が浮かぶ 離れて暮らす 高齢の義母 娘夫婦 兄夫婦 一緒に散歩する友人 足が痛いとき カゴを台まで運んでくれたスーパーの店員さん …

旅の思い出 万葉の岬(兵庫県相生市)

旅の思い出 万葉の岬 日がな一日 宿の窓から眼下の瀬戸内の海を眺めていた 長旅疲れで八十六才の母は寝息をたてている 父の故郷の海 島々が見え いくつかの舟がゆったりと浮かぶ あれが父が言っていた山だろうか 道にマムシがいて走って飛び越えたとか これ…

ど根性大根 (父の故郷で話題になった大根)

ど根性大根 相生…… 二〇〇五年 兵庫県相生市の大根が話題になった 亡き父を思う 固いアスファルトを突き破った相生育ちの大根 たしかにすごいけれど 明治大正という時代 十九才で 一人 旋盤の腕をひっさげて 故郷を離れ 遠い東京に根をおろし 一生を終えた …

うちのカブトムシ (はじめてカブトムシを育てた)

うちのカブトムシ 近くの大学の学園祭で買ったカブトムシ 丸々とした幼虫は 長い間 土の中 食べるものを食べつくし 春になったら糞だらけ 昆虫マットを用意した 初夏には蛹化した しかし 土の上で蛹とは! 慌てて人工蛹室作り 小バエがわんさか発生すれば 一…

夏の朝

夏の朝 クモの網に道を譲って回り道 そういえば、加賀千代女の俳句には 朝顔につるべとられてもらい水 というのが、あったっけ 江戸の昔のその朝顔は みごとに咲いたことだろう クモは虫を食んでいる

自然教育園のカラス

自然教育園のカラス 高校生の時 自然教育園の脇を通っていた ある朝 カラスがハトを囓っている 私の方をチラッ チラッと見ながら セッセと食べていた へぇー、カラスってハトを食べるんだ! さすが自然教育園のカラス 自然のことを教えてくれる しかし バス…