クモリン 小さな生き物のつぶやき

つぶやくように詩を作っていきたいです

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

電車の中で (覚えていなくても)

電車の中で ぽっちゃりした 男の子 お母さんに抱かれている 電車の中のおとなりさん 目があった 私の頬が緩んで 笑いかけたら 恥ずかしがって お母さんにすがる それでも うれしそうに にっこりしてくれた 親子が立ち上がった 何ということもないこの一時を …

東京オリンピック 

東京オリンピック オリンピックと聞くとあなたを思い出す マラソンと聞くと なぜ? どうして? とあなたを思う かけっこは いつもビリの小学生には あなたは雲の上の人 眩しい人 オリンピックの表彰台に立った人が なぜ命を絶つことになったのか あの頃は ま…

クスノキの葉

クスノキの葉 五月 クスノキの大木から 役目を終えた葉が落ちてくる 樟脳の香りを嗅ごうと 積み重なった落ち葉に目をやれば 同じようでも 少しずつ違う 大きさ 色 ダニ部屋の膨らみさえも 樟脳も効かない病になったのか 点々と虫こぶのあるものや アオスジア…

オニグモと夜空、そして私 (不思議……)

オニグモと夜空、そして私 暑さの残る夏の夜 玄関脇の空間に オニグモ せっせと網作る おしりの先から出す糸で とても立派な網作る オニグモの上には星々が 幾光年先で燃えている 地球の片隅に生きるクモ 広がり続ける大宇宙…… 私も「不思議」の一員で 地球…

風呂敷 (小さい頃 風呂敷で遊んだ)

風呂敷 頭に巻いて マレーの虎 快傑ハリマオになった 首に結んで 正義の味方 月光仮面になった 六十年経った今 遊んでくれなくなったので 替え着を包んだり 荷物を包んだり…… 一枚の布になってしまった