2020-03-11 クスノキの葉 詩 生き物 クスノキの葉 五月 クスノキの大木から 役目を終えた葉が落ちてくる 樟脳の香りを嗅ごうと 積み重なった落ち葉に目をやれば 同じようでも 少しずつ違う 大きさ 色 ダニ部屋の膨らみさえも 樟脳も効かない病になったのか 点々と虫こぶのあるものや アオスジアゲハの幼虫のかじり跡のあるものも 病葉を拾い ちぎったら しっかりと樟脳の香りを放っていた 見上げれば まぶしい光の中で 生い茂った若い葉が 働いている最中だ 一年後 彼らが それぞれの姿でここに落ちてくる