クモリン 小さな生き物のつぶやき

つぶやくように詩を作っていきたいです

クスノキの葉

   クスノキの葉

 

 

五月

クスノキの大木から

役目を終えた葉が落ちてくる

 

樟脳の香りを嗅ごうと

積み重なった落ち葉に目をやれば

同じようでも 少しずつ違う

大きさ 色 ダニ部屋の膨らみさえも

 

樟脳も効かない病になったのか

点々と虫こぶのあるものや

アオスジアゲハの幼虫のかじり跡のあるものも

 

病葉を拾い ちぎったら

しっかりと樟脳の香りを放っていた

 

見上げれば

まぶしい光の中で

生い茂った若い葉が 働いている最中だ

一年後

彼らが それぞれの姿でここに落ちてくる