旅の思い出 万葉の岬(兵庫県相生市)
旅の思い出 万葉の岬
日がな一日
宿の窓から眼下の瀬戸内の海を眺めていた
長旅疲れで八十六才の母は寝息をたてている
父の故郷の海
島々が見え
いくつかの舟がゆったりと浮かぶ
あれが父が言っていた山だろうか
道にマムシがいて走って飛び越えたとか
これが父が言っていた海だろうか
造船所に働きに行く舟に乗ろうと 海に落ちた人がいたとか
父が話していた相生の昔が次々と浮かんでくる
今は母も亡くなった
瀬戸内の海は
今日も 穏やかだろうか
うちのカブトムシ (はじめてカブトムシを育てた)
うちのカブトムシ
近くの大学の学園祭で買ったカブトムシ
丸々とした幼虫は 長い間 土の中
食べるものを食べつくし 春になったら糞だらけ
昆虫マットを用意した
初夏には蛹化した
しかし 土の上で蛹とは!
慌てて人工蛹室作り
小バエがわんさか発生すれば
一生懸命退治する
羽化して成虫になったので
毎日 毎日 昆虫ゼリーをあげた
うちのカブトムシは角が立派で男前
そんじょそこらのカブトムシとは違う
そんじょそこらのカブトムシとは違うから……
そんじょそこらのカブトムシのようし
クヌギの林の中を自由に飛ばせたかった
まだ夏なのに
動かなくなったカブトムシを手に乗せたら
軽そうなのに
重かった